【宅建の統計】問48は5つの資料から出る|増えたか減ったかで1点取る覚え方
問48の正解肢は、平成17年からの23回のうち22回が、同じ5つの統計資料から出ています。数字は毎年入れかわっても、出る資料と聞かれ方は変わりません。令和8年試験のデータを例に、覚える範囲と引っかけの形、令和9年に向けた勉強の時期をまとめました。
宅建の問48「統計」は、毎年数字が変わるので後回しにしがち、という方も多いのでは? たしかに数字は毎年入れかわります。ただ、どの資料から出るかとどう聞かれるかは、20年近くほとんど変わっていません。
この記事では、平成17年〜令和7年の問48(23回分)の出題データと、令和8年試験で使われた統計の数字をもとに、覚える範囲をしぼり込みます。範囲が決まっている分野なので、直前期の短い時間で1点を取りにいけます。
結論:統計は「5つの資料」の「増えたか減ったか」を覚えれば1点取れる
問48は、次の5つの資料のどれかから出ます。過去23回で、正解の選択肢がこの5つ以外から出たのは1回だけです。
- 出るのは建築着工統計・地価公示・土地白書・法人企業統計・宅建業者数の5つ
- 聞かれるのは「増えた/減った」「何年連続か」がほとんど。細かい数字の暗記はいらない
- 数字で引っかけるときは「13万が20万」のように桁ごとずらすので、だいたいの大きさで足りる
- 最新の資料は7月ごろまでに出そろう。勉強は8月以降、A4の紙1枚で十分
統計を「毎年変わるから直前に見ればいい」で終わらせると、何を見ればいいか分からないまま試験当日を迎えてしまいます。見る資料と見るポイントを先に決めておけば、直前期の勉強は1日10分ほどで済みます。
私は受験当時、不動産とは別の業界で働いていて5問免除を使えなかったので、統計も含めて50問すべてを解きました。免除のない方にとって、問48は範囲が狭いわりに確実に1点になる問題です。税・その他の8問全体の取り方は、勉強の順番と科目別の勉強法にまとめています。
統計は「範囲が決まっている」分野。過去23回の出題データ
平成17年〜令和7年の問48(令和2年・3年は10月と12月の2回ずつ実施)について、それぞれの資料が選択肢に出た回数と、正解になった回数を数えたのが次の表です。

| 資料 | 選択肢に出た回 | 正解になった回 |
|---|---|---|
| 建築着工統計 | 22回 | 8回 |
| 地価公示 | 21回 | 6回 |
| 土地白書 | 20回 | 1回 |
| 法人企業統計 | 17回 | 3回 |
| 宅建業者数 | 9回 | 4回 |
| その他の資料 | 3回 | 1回 |
※出典:ビーグッド宅建講座「統計対策講座」の出題分析をもとに作成
建築着工統計と地価公示は、ほぼ毎年出ています。選択肢4つのうち、2つはこの2つの資料から、という回が多いです。
「その他の資料」として出たのは、不動産価格指数(2回)と住宅・土地統計調査(1回)だけでした。ここまで手を広げる必要はありません。
23回のうち20回は、正しい選択肢を1つ選ぶ問題でした。
5つの資料と、それぞれで聞かれるポイント
5つの資料は、どれも国(国土交通省・財務省など)が毎年同じ時期に出しているものです。資料ごとに、聞かれる項目もほぼ決まっています。

| 資料 | 公表される時期 | 聞かれること |
|---|---|---|
| 建築着工統計 | 1月末 | 新設住宅の着工戸数 |
| 地価公示 | 3月 | 地価の上昇・下落 |
| 土地白書 | 6〜7月 | 土地取引件数・宅地面積 |
| 法人企業統計 | 9月 | 不動産業の売上・利益 |
| 宅建業者数 | 10月(白書は7月) | 業者の数と増減 |
建築着工統計:戸数の増減と「何年連続か」
前の年の1年間に、新しく建て始めた住宅の数です。全体のほか、持家・貸家・分譲住宅(分譲はマンションと一戸建)に分けて、前の年より増えたか減ったかが聞かれます。
地価公示:全国・三大都市圏・地方圏の上昇か下落か
その年の1月1日時点の地価を、前の年と比べたものです。住宅地・商業地・工業地と、全国・三大都市圏・地方圏の組み合わせで、上がったか下がったか、上昇の幅が広がったか縮んだかが聞かれます。
土地白書:土地取引の件数と宅地の面積
売買による土地の所有権移転登記の件数(=土地取引の件数)と、住宅地・工業用地などの宅地の面積です。件数は約130万件前後で、毎年大きくは動きません。
法人企業統計:不動産業の売上高・経常利益・利益率
財務省が出している、会社のもうけの統計です。不動産業の売上高・経常利益が前の年度より増えたか、売上高経常利益率が上がったか、全産業と比べて高いかが聞かれます。
宅建業者数:約13万業者で、増えているか
国土交通省の「宅地建物取引業法の施行状況調査」や国土交通白書に出ている、宅建業者の数です。約13万業者で、ここ10年以上、少しずつ増え続けています。
本試験の選択肢は「令和8年地価公示(令和8年3月公表)によれば…」のように、どの年の資料かが書かれています。古い年の数字を覚えておく必要はありません。
令和8年試験で使われた統計の数字
例として、令和8年(2026年10月18日実施)の試験に向けて使われた最新の数字を並べます。令和9年の試験では新しい数字に入れかわりますが、見る場所はまったく同じです。
建築着工統計(令和7年の1年間・令和8年1月公表)

| 種類 | 戸数 | 前の年と比べて |
|---|---|---|
| 全体 | 約74.1万戸 | 3年連続の減少(−6.5%) |
| 持家 | 約20.1万戸 | 4年連続の減少 |
| 貸家 | 約32.5万戸 | 3年連続の減少 |
| 分譲住宅 | 約20.8万戸 | 3年連続の減少 |
分譲住宅のうち、マンション(約9.0万戸)も一戸建(約11.6万戸)も減っています。令和7年は全部の種類が減った年と覚えれば十分です。
地価公示(令和8年1月1日時点・令和8年3月公表)

| 地域 | 住宅地 | 商業地 |
|---|---|---|
| 全国平均 | +2.1%(5年連続上昇) | +4.3%(5年連続上昇) |
| 三大都市圏 | +3.5%(5年連続上昇) | +7.8%(5年連続上昇) |
| 地方圏 | +0.9%(5年連続上昇) | +1.6%(5年連続上昇) |
全用途平均も、全国・三大都市圏・地方圏のすべてで5年連続の上昇です。工業地は全国で10年連続、三大都市圏で12年連続、地方圏で9年連続の上昇でした。
ひとつだけ細かいのは、地方圏の住宅地・工業地などで上昇の幅が前の年より小さくなったところです。下がったのではなく、上がり方がゆるやかになっただけなので、「下落した」という選択肢は誤りです。
土地白書・法人企業統計・宅建業者数

| 資料 | 数字 | 前と比べて |
|---|---|---|
| 土地取引件数(令和7年) | 約130万件 | ほぼ横ばい(−1.8%) |
| 宅地の面積(令和5年) | 約199万ha | 微増 |
| 不動産業の売上高(令和6年度) | 約58.8兆円 | 2年連続の増加 |
| 不動産業の経常利益(令和6年度) | 約8兆円 | 2年連続の増加 |
| 宅建業者数(令和7年3月末) | 約13.2万業者 | 11年連続の増加 |
※令和8年版土地白書(令和8年公表)、令和6年度法人企業統計(令和7年9月公表)、令和6年度宅建業法の施行状況調査(令和7年10月公表)より
法人企業統計では、不動産業の売上高は全産業の約3.5%、売上高経常利益率は13.6%(全産業は6.8%)で、5年連続で上がっています。
引っかけは4つの形しかない。過去問の聞かれ方
統計の選択肢の誤りは、ほとんどが次の4つの形のどれかです。上の数字に当てはめた例をつけました(どれも誤りの選択肢です)。

| 引っかけの形 | 誤りの例 | 本当は |
|---|---|---|
| 増減を逆にする | 新設住宅着工戸数は3年ぶりの増加 | 3年連続の減少 |
| 一部だけ逆にする | 持家は減ったが、貸家と分譲住宅は増えた | 全部減った |
| 「下落に転じた」 | 工業地は下落に転じた | 10年連続の上昇 |
| 桁ごとずらす | 土地取引件数は200万件を超えた | 約130万件 |
いちばん多いのは、増えたか減ったかを逆にする形です。数字そのものを少しだけ変える引っかけ(74.1万を76万にする、など)は、ほとんど出ていません。
宅建業者数が約13万なのに「約20万に達している」「10万業者を下回る」。土地取引が約130万件なのに「200万件を超えた」。数字で誤りを作るときは、この程度の大きさで違えてきます。
ただし例外として、不動産業の売上高が全産業の「約3.5%」を「約4%」と変えた問題が過去に1回ありました。
「何年連続」は、増減の向きとセットで覚える
「5年連続で上昇」「11年連続で増加」のような年数は、増減の向きとセットで聞かれます。地価公示の「5年連続」は、コロナで下がった令和3年の翌年(令和4年)から上がり続けている、と理由をつけて覚えると忘れにくいです。
一問一答で◯✕を言い切る練習は、一問一答を極める勉強法でも紹介しています。統計は、まさに◯✕を1つずつ決めていく問題です。
令和9年の試験に向けて、いつ・どう勉強するか
令和9年(2027年)の試験で使う資料は、次の順番で出そろっていきます。
2026年9〜10月
法人企業統計(令和7年度)と宅建業者数(令和8年3月末)が出る
2027年1〜3月
建築着工統計(令和8年分)と令和9年地価公示が出る
2027年6〜7月
令和9年版の土地白書・国土交通白書が出て、全部そろう
つまり、7月までは統計の勉強をしなくて大丈夫です。その前に覚えても、白書が出れば数字が入れかわります。春から夏は、権利関係・宅建業法・法令上の制限に時間を使ってください。
8月以降、A4の紙1枚にまとめる
8月に入ったら、5つの資料の最新の数字を、この記事の表と同じ項目でA4の紙1枚に書き出します。予備校や講座の直前対策で配られるまとめ表を使っても構いません。
- 8月:最新の数字で、5つの資料の表を1枚にまとめる
- 9月:過去問の統計の選択肢を、最新の数字に置きかえて◯✕を答える(1日10分)
- 試験の前日:紙1枚を見直して「増えた・減った」と年数だけ口に出す
過去問は、出題された年の数字のままだと今年の答えと合いません。最新の数字に置きかえた問題集(予備校が毎年出しているもの)を使うと、そのまま練習できます。
統計にかける時間は、ほかの科目に回してください。制度のくわしいことは宅建の5問免除(登録講習)とは?にまとめています。
直前1ヶ月の時間の使い方は、宅建の直前期1ヶ月の勉強時間とやることもあわせてどうぞ。
統計の勉強で気をつけたいこと
- 古い年の教材の数字を覚えない。中古のテキストや去年の問題集は、数字が1年ずれています。統計だけは、必ず受験する年の最新版で確認してください。
- 小数点まで覚えない。−6.5%、+2.1%のような数字は、出ても「減った・増えた」が分かれば解けます。
- その他の資料は深追いしない。不動産価格指数や住宅・土地統計調査は23回で3回しか出ていません。出たら「知らない選択肢」として、残りの3つで判断します。
宅建の統計に関するよくある質問
統計は捨ててもいいですか?
おすすめしません。範囲が5つの資料に決まっていて、勉強にかかるのは直前期の数時間ほどです。合格点の前後1〜2点で合否が分かれる試験なので、取りやすい1点は取っておきましょう。
統計はいつから勉強すればいいですか?
8月以降で十分です。土地白書が6〜7月に出て、ようやくその年の数字が全部そろいます。それより前に覚えても、数字が入れかわってしまいます。
数字はどこまで覚えればいいですか?
「増えた・減った」「何年連続か」と、だいたいの大きさ(着工戸数は約74万戸、宅建業者数は約13万など)までで足ります。小数点以下の%まで覚える必要はありません。
過去問はそのまま使えますか?
出題された年の数字のままだと、今年の正解とは合いません。選択肢の形(どこが引っかけになるか)を知るために使い、◯✕は最新の数字で判断してください。
まとめ:統計は毎年変わるが、出る場所は毎年同じ
統計は、数字が変わるだけで、出る資料も聞かれ方も決まっています。範囲がしぼれる分、覚えれば確実に1点になる問題です。
- 出るのは建築着工統計・地価公示・土地白書・法人企業統計・宅建業者数の5つ
- 聞かれるのは「増えた・減った」と「何年連続か」がほとんど
- 数字の引っかけは桁ごとずらすので、だいたいの大きさで切れる
- 資料が出そろうのは7月ごろ。勉強は8月以降、A4の紙1枚で
- 5問免除を受ける方は、問48そのものが免除
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