【捨てずに10点】宅建の権利関係の勉強法|用語の言い換え・自分ごと・関係図
悪意は「知っている」、心裡留保は「冗談」。権利関係は、問題文をふだんの言葉に直して、自分の家族の話に置き換え、登場人物を図にするだけで読めるようになります。14問中10点を取った5つのやり方と、先に固める分野の順番を並べました。
「権利関係は難しいので、半分の7点取れればOK」。受験生の間にはそんな風潮がありますが、これはもったいないです。多くの方が権利関係を捨てるのであれば、こちらはありがたく拾っていきましょう。
私は受験生だった当時、権利関係で14点中10点を取ることができました。高卒・法律知識ゼロからのスタートで、最後まで得意科目にはなれなかった私でも、です。この記事では、そのとき実践した勉強方法を、本試験と同じ言い回しの例題や図つきで紹介します。
結論:権利関係は捨てずに「14問中10点」を狙う
権利関係は全50問のうち14問。目標は14問中10点です。点を取るためにやったことは、次の5つです。

| やり方 | つぶせるもの |
|---|---|
| ① 難しい用語を言い換える | 用語の難しさ |
| ② 自分ごととして考える | 他人事でイメージできない |
| ③ 関係図を書く | 長い問題文・多い登場人物 |
| ④ 制度の図解を丸暗記する | 借地借家法などの数字 |
| ⑤ 1回で理解しようとしない | 挫折 |
①〜③のやり方は、この3つを1つずつつぶすためのものです。
権利関係14問の中身と、先に固める分野
権利関係の14問は、毎年だいたい次のように分かれています。

| 分野 | 問題数 | 10点の目安 |
|---|---|---|
| 民法 | 10問 | 6点 |
| 借地借家法 | 2問 | 2点 |
| 区分所有法 | 1問 | 1点 |
| 不動産登記法 | 1問 | 1点 |
ねらい目は、民法以外の4問です。借地借家法・区分所有法・不動産登記法は毎年必ず出て、聞かれることも「期間」「割合」「誰が申請するか」と決まっています。ここは覚えた分がそのまま点になるので、4問とも取りにいきます。
そのうえで民法の10問から6点。民法は範囲が広いので、全部を追いかけず、よく出る分野から固めます。
不動産登記法・区分所有法もほぼ毎回。民法では、意思表示・債務不履行と解除・抵当権・相続・代理・時効が3回に2回以上出ています。
逆に、根抵当権や債権者代位のように数回しか出ていない分野は、覚える手間に見合いません。最初は「よく出る分野だけで6点」を目標にすれば十分です。
権利関係で点を取る5つのやり方
ここからが本題です。5つとも、法律知識ゼロだった私が実際にやっていたことです。
① 難しい用語は、ふだんの言葉に言い換える
権利関係には、日常とは意味がちがう法律用語がたくさん出てきます。いちばん有名なのが「悪意」。ふつうは「悪い心」ですが、法律では「知っている」という意味です。
問題文を読むときは、頭の中で次のように言い換えてから考えます。

| 法律用語 | 言い換え |
|---|---|
| 悪意 | 知っている |
| 心裡留保 | 冗談(本心ではないことを言う) |
| 虚偽表示 | 相手と口裏を合わせたウソの契約 |
| 追認 | あとから「それでOK」と認める |
| 催告 | 「早くして」とせかす |
| 対抗できる | 主張できる |
実際に、本試験と同じ言い回しの問題文を言い換えてみます。
言い換えるだけで、問題文が「法律の文章」から「ふつうの出来事」に変わります。最初は自分用の言い換えメモを作り、慣れてきたら頭の中だけで変換できるようになります。
② 自分ごととして考える
権利関係が難しく感じるもう1つの理由は、問題の中の出来事が他人事のまま入ってくることです。問題を「AさんとBさんの話」ではなく、自分の状況に置き換えると、急に見え方が変わります。
借地借家法なら、今住んでいる家で考えます。大家さんから急に「出て行って」と言われたら、従わないといけない?家賃の値上げの通知が来たら、断れる?
成年後見なら、自分が、年を取った母親の成年後見人になったところをイメージします。

| 問題文の言葉 | 自分ごとにすると |
|---|---|
| 成年後見人 | 自分 |
| 成年被後見人 | 年を取った母親 |
そのうえで、「母親が何かをするには、自分の許可がいる?」「母親が勝手に高級な宝石を買ってきたら、どうなる?」と考えてみます。答えは、宝石の契約は取り消せる。しかも成年被後見人の場合、たとえ自分が「買っていいよ」と同意していても取り消せます。ただし、食料品や日用品の買い物は取り消せません。自分と母親の話にすると、「毎日の買い物まで取り消されたら、お店も母親も困るよね」と、ルールの理由まで腹落ちします。
相続なら、「もし今、父親が5,000万円を残して亡くなったら、誰がいくらもらえる?」と考えます。相続人が母親・自分・弟の3人なら、母親が半分の2,500万円、自分と弟が残りを分けて1,250万円ずつです。
感情を乗せて考えると、知識がバラバラの暗記ではなく「ひとつの話」としてまとまり、次に解くときに「あのパターンだ」と思い出せます。
③ 登場人物が出てきたら、関係図を書く
権利関係の問題は、用語が難しく、問題文が長いうえに、登場人物も多いのが特徴です。「売主のA、買主のB、二重に買ったC、Cから転売を受けたD」のように、3人、4人と出てきます。たとえば、こんな問題です。
BはDに対して、甲土地は自分のものだと主張できるか。
頭の中だけで読むと、誰が誰に売って、誰が登記をしているのか、すぐに分からなくなります。問題用紙の余白に、次のような図を書きます。
図にすると、「BとCは同じ土地を買った者どうし」「先に登記をしたのはC」と一目で分かります。Cは「知っていた(悪意)」ですが、ただ知っていただけなら、先に登記をした人が勝ちます。Cから買って登記をしたDにも、Bは主張できません。答えは「主張できない」です。
④ 制度の図解を丸暗記する
権利関係は基本的に丸暗記が通用しませんが、例外がテキストの制度の図解です。私も最初は「あの図解があれば解けるのに」→解説で確認、を繰り返していました。あるとき「いっそ図解ごと覚えた方が早い」と気づいて暗記を始めたところ、点数が安定しました。
答えは「正しい」。この短さでは借りる側が不利になるので、借地借家法で認められていません。図解が頭にあれば「一般定期借地権は50年以上」「居住用でこの短さはダメ」と、図解と問題文を見比べるだけで答えが出ます。
覚えるときは、テキストの図解をそのまま覚えないのがコツです。
- 「なし」の欄など、削れるところは線を引いて消す
- 長い文言は最大限短くする
私は要点だけに削った表を覚えていましたが、それで解けない問題はありませんでした。その表を描き直したPDFを権利関係の図解PDF(無料)で配布しています。
⑤ 1回で理解しようとしない
権利関係は1〜2回で理解できる科目ではありません。「短期間で理解する科目」ではなく「長期間で精度を上げていく科目」と捉えて、講義と問題を「薄く何周も」回すのがいちばん効いた科目です。1周目は3割わかれば十分。2周目、3周目で少しずつ「わかる」が増えていきます。
権利関係の勉強で気をつけたいこと
- 時間:権利関係は50問中14問なので、宅建業法(20問)より先に手を広げると全体が間に合わなくなります
- 判例:細かい理屈までは追わず、「どっちが勝つか」「取り消せるか」の結論を言えれば、多くの問題は解けます
- 最後の1文:「正しいもの」か「誤っているもの」か、「いくつあるか」かで答えが逆になります
2026年の本試験では、権利関係にも個数問題(問7・代理)と組合せ問題(問6・売買と賃貸借)が1問ずつ出ました。1つひとつの記述に「◯か×か」を言い切れる力が、権利関係でも求められています。個数問題への備えは一問一答を極める勉強法にまとめています。
権利関係の講義と問題集がどう組まれているかは、スタディング宅建士講座の教材の使い分けでも紹介しています。
権利関係の勉強法に関するよくある質問
権利関係は捨ててもいいですか?
おすすめしません。14問を全部捨てると、残り36問で合格点を取る必要があり、かなり苦しくなります。借地借家法・区分所有法・不動産登記法の4問だけでも、覚えればほぼ確実に取れます。
権利関係は何から勉強すればいいですか?
借地借家法から始めるのがおすすめです。「住んでいる家」「借りている部屋」と自分ごとにしやすく、数字を覚えれば点になります。そのあと、意思表示・代理など民法のよく出る分野に進みます。
法律の用語がまったく分かりません。大丈夫ですか?
大丈夫です。私も高卒・法律知識ゼロからのスタートでした。最初は自分用の言い換えメモを作り、問題を解くたびに書き足していけば、だんだん頭の中だけで変換できるようになります。
図解PDFだけで権利関係は解けますか?
数字や制度を比べる問題は、図解の暗記でかなり解けます。ただ、事例問題の読み取りは図解だけでは足りないので、言い換えと関係図を組み合わせてください。図解は権利関係の図解PDF(無料)で配っています。
まとめ:権利関係は「読める形に直す」だけで点が取れる
権利関係は、用語・長さ・登場人物の3つで読みにくく見えているだけです。読める形に直せば、法律知識ゼロからでも10点は狙えます。
- 14問中10点が目安。借地借家法・区分所有法・不動産登記法の4問は落とさない
- 用語を言い換える:悪意→知っている、心裡留保→冗談、対抗できる→主張できる
- 自分ごとにする:後見人=自分、被後見人=母親のように、家族の話に置き換える
- 関係図を書く:人は丸、売買は矢印、登記は◎
- 図解を覚えて、何周もする:1回で理解しようとしない
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